おいらはテイラー
FRBの次期議長候補にスタンフォード大学のジョン・テイラーの名前が上がっています。誰? という方も多いようで『おいらはテイラー、教授のテイラー、知ってる人は知っている、知らない人は覚えてね』と言って回っているそうです。
現在の環境では金融政策の行方が為替市場に最も影響を与える要因でしょう。そのため、米金融政策のかじ取りをするFRB議長が誰になるか、というのはめっちゃ大事なわけです。わいの好きなJPモルガンチェースの佐々木さんのレポートも読んでみてどうぞ。
コラム:ドル円の鍵は自公圧勝より次期FRB議長人事=佐々木融氏(ロイター)
テイラーが議長になると?
テイラーが議長になるかも、という報道でUSDが上昇しました。なぜならテイラーはタカ派と見られていて、利上げが早いペースで進むのでは?と思われているからです。
金融政策に限らずですがタカ派(急進派)・ハト派(穏健派)という考え方があって、この場合のタカ派は「インフレに対して早めに対処する=利上げに積極的」になります。利上げに積極的→米金利上昇→USDが買われる、という連想が為替を動かすわけです。対してほかの候補のイエレン現議長、パウエル理事はハト派と言われ、「じっくりと検証して慎重に対応しようぜ」というスタンスなので、なかなか利上げに踏み切れずにUSDは売られる、というインプリケーションになります。
FRB議長人事、テイラー氏優勢か(日経)
ちな、わたしの鷹鳩という名前もこのタカ派ハト派から来ています。(どうでもいい)
テイラー・ルール
テイラー教授が提唱した、政策金利の水準を求めるテイラー・ルール(wikipedia)というのがあります。このルールに基づいて数字を入れていくと、望ましい政策金利は3%半ばだそうです。今よりも2%以上高い水準です。テイラールールの金利に追いつくためにはどんどん利上げしなくてはいけません。
テイラー・ルール、米金融当局にどのような意味持つか-Q&A(Bloomberg)
為替を見るならFRB議長の行方は超超大事です。注意してみてどうぞ。
その他のテイラーを紹介しますね
最後のジョン・テイラーは世界最大の為替ヘッジファンド『FXコンセプツ』の設立者で、為替でジョン・テイラーといったらこっちのが有名人かも? 140億ドルを為替で運用してました。まぁ、やられて破綻しちゃったんですけどね…。わいの勤めてた銀行でも、この人のレポートを購読してました。レポート購読料が何百万円もするんですよ…。
為替市場の権威ジョン・テーラー氏、再起に賭ける-流儀は万物流転(Bloomberg)
古いですがFXコンセプツが登場する動画(NHKスペシャル?)も残ってたので観てみてどうぞ。2005年なのでディーリングルームも今とは全然違う風景です。「んだよ、くそ」「ちゃんと聞いてくださいよ!」と怒鳴ってるのが銀行のディーラーです。態度悪いでしょ。そのうち全員、機械に取って代わられます。てかもうそうなりつつある。