声で取引するボイス・トレード

インターバンク
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FXではほぼ100% ソフトウェア、スマホアプリを通じた電子取引が当たり前になっていますけれど(昔は電話トレードもあった…)、銀行では電子取引と並んでボイス・トレード(声によるトレード)が行われています。白い円卓を囲むブローカーと呼ばれる人達が声で為替レートを読み上げて、取引を繋いでくれるのです。

なんで今更『声』なの? 声フェチなの? 声豚なの? PCでいいじゃん、と思われる方もいるかもしれませんが、ちゃんとメリットがあります。為替ディーラーは一日中、集中して取引をしているので緊張感が半端なく、眼にもかなりの負担がかかります。眼精疲労は職業病です。そこで、声で為替レートを読み上げてくれると、眼を瞑って休憩しながらでも、為替レートを把握することが出来るのです。なにげに良くないですか?

スキャルピングのような画面張り付き ではない取引スタイルなら、レートを声で読み上げてくれて、家事とか読書とか休憩とかしながらの「ながら為替チェック」が出来るので良いサービスかなーと思ったのですが、FX会社さんいかがでしょうか? そんなサービスが出たら宣伝したいと思います(揉み手)

もう一つメリットがあるとすれば、相場の雰囲気を感じ取ることができるということでしょうか。相場が動かない時はレートを読む声も穏やかですが、急変時はやはり慌しい感じが伝わってきますし、『まだ売りたい、まだ売る! まだ売る!!』など声が入ることで相場のエネルギーを感じ取ることができます。逆に自分で雰囲気を作り出したいときに、あえてボイス・トレードを使うこともあります。

さて、電子取引であればクリックすれば取引ができましたが、ボイス・トレードの場合どうするか? 取引も声で行うのです。買う場合には『mine(マイン)!!』、売る場合には『yours(ユアーズ)!!』とブローカーに叫ぶことで取引することが出来ます。mine=私のものにする=買った!!、yours=あなたのものにする=売った!! という具合です。ちなみに小説家の幸田真音さんの名前はこの『マイン』から来ています。

たまにドキュメンタリーなどでディーリングルームの様子が映される時に使われるのもこのmine!! yours!!と叫んでいる場面です。為替ディーラーが映える瞬間です。私も最初はmine!!と叫ぶことにものすご~く憧れて、実際に初めて取引する時は緊張で声が震えて「ま、マイン(裏声)」とやったのを覚えています。慣れてしまうと何も感じなくなってしまい、失敗をやらかしてしまうのですが…。

ブローカーが『今いいですか?』と呼びかけてきたので、マイクのスイッチを入れて『はいはい?』と返したところ、誤ったスイッチを押して別のブローカーに繋がってしまって、しかも『はいはい?』が『mine! mine!』と聞こえてしまったようで、まったく意図しないロング・ポジションが積み上がってしまいました。マイッタネ

さて、みなさんもロング・ポジションを作る際はmine!!、ショート・ポジションを作る際はyours!!と叫んでみてはいかがでしょうか? 声を出すことで自分のポジションに自信を持つことができる、という心理的な効果があるかもしれないけど、まずそんなことは多分無い。


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