仲値とFXのスワップポイント再考

インターバンク
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日経平均株価がバブル崩壊以後の最高値を更新と凄いですね。併せてUSD/JPYも年初来高値を更新、113円台半ば。貿易戦争とは何だったのか、トルコ危機とは…。もっと言えばトランプショックとは(ry

こういう日はツイッターの投資界隈も投稿が活発なわけですが、そんな中、個人的に面白い、というか知ってそうで知らない、でもちょっと知ってるツイートがあったのでご紹介します。JFX小林芳彦社長です。何度か集まりでご一緒したことがあります。

仲値、ゴトー日については以前書いております。

本当は怖い 5・10日の仲値の話

 

さて、9時55分のUSD/JPYが113.48 なのに、銀行の公示仲値が113.57 って控えめに言って不思議に思いませんか?

「銀行が抜いてるんだろ?」という感覚がネット民的にはあると思うんですが(偏見)、実はそうではなくて。わいらがFXで取引している為替レートってちょいと小難しい言葉で言うとスポット(SPOT)と呼ばれる取引のレートなんです。スポット取引は受け渡しが2営業日後。株をやっている方なら取引した後、決済日がやってくるというのはお分かりになると思いますがそれと同じです。

例えば2018年9月24日(月)にスポット取引をした場合、9月26日(水)に受け渡し。でもFXは証拠金取引で差金決済なので、実際には受け渡しは行いません。ですがFXレートの上流にあるインターバンク為替市場では、実際に受け渡しをする必要があるので、翌25日を迎えて、ポジションを継続するのであればスワップで26日決済のポジションを27日決済に延ばしていきます(ロールしていきます)。USDは金利が高く、JPYはほぼゼロ金利なので、USD/JPYをロールすると金利差分の調整が入ります。これをFX顧客に還元しているのがスワップポイントの正体です。

イメージ図

土日を挟むと3日分のロールになるのでスワップポイントも3日分になる、と言うわけです。スワッポ3倍デーは別に楽天みたいなキャンペーンによって行われているわけではないのです。

ちな、JPYはいつでも低金利なのでUSD/JPYを買うとスワップポイントがもらえますが、当然、米金利より日本金利のほうが高くなれば、USD/JPYロングでマイナススワップポイントになります。もっと言うとトルコ金利より日本金利のほうが高くなればTRY/JPYロングでもマイナススワップポイントになります。

前置きが長くなりましたが

本日は9月28日(金)、受け渡しは10月2日(火)になります。一方、仲値のレートは今日(9月28日)決済する際に使うレートなのです、実は。なので、スポットレートが113.48、これを当日受け渡しにしなくてはいけません。4日分の金利差を調整してあげればいいのですが…。9月末はいわゆる期末。たくさんの決済が集中する日ということもあって、期末と期初をまたぐ取引は需給がひっ迫して金利が高くなりがちなのです。金利が高いということは調整のためのスワップも高いということで、その調整分が9pips(銀行による、銀行による、銀行による)。

スポットが113.48でも仲値は113.57になってしまうというお話でした。

小ネタとしては、上記の場合、「48ベース、57でーす‼」と銀行のディーリングルームでは大声で叫ばれています。

FXトレーダーにとって、これを逆手に取るとすると、期末をまたぐUSD/JPYロングはいつもよりスワップポイントがたっぷり、ということで美味しい話になります。言うても為替レートの変動のほうが大きいのですけどね。

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